カスタムレタラーであるヨンキ氏は、彼が見つけたロサンゼルスの様々な場所のウィンドウ、壁、トラックなどの写真を投稿するInstagramアカウント、@handpaintedinLAで、看板に対する彼の愛を記録し始めました。
Bryan Yonkiさんはロサンゼルスに移住した際、街のあちこちに残るレトロなハンドペイントの看板に魅せられたようです。
特に街の個性的な雰囲気を醸し出している、小さな飲食店や自動車整備店の手書き看板に注目し、それらをこつこつと記録していきました。
その後、彼はInstagramフィードを印刷物に変えることを決め、この本が誕生しました。
この本には、2014年から2022年までに収集した1,500以上の看板が収められています。インタビューで、ヨンキ氏は、サインペインターとしての旅と手描きの看板に対する彼の愛情について語っています。
目次
ロサンゼルスの街中を情熱を込めて歩く看板マニア
ロサンゼルス在住のグラフィックデザイナー Bryan Yonki さんは、街中に点在するレトロな店舗看板に深く魅了されています。
子供の頃からビンテージなものが大好きだったという Yonki さん。ロサンゼルスに移住後、街角で偶然見つけた古いハンドペイントの看板に一目ぼれ。以来、街を歩き回っては惹かれた看板をカメラに収めるのが日課となりました。
時代を感じさせるノスタルジックな色合いのネオンサイン。店主の個性が光る丁寧な手書き文字。懐かしさとあたたかみに溢れたイラスト。Yonkiさんはそんな小さな看板一つひとつから目が離せません。
細部までこだわって記録する
特に気に入った看板は、自身のインスタグラム「Hand Painted in LA」に詳細な写真と共に投稿。手書き文字のフォント、カラーバランス、イラストの線の強弱…。細部まで徹底的に解剖し、魅力を伝えようとする姿には、看板に対する純粋な思い入れが感じられます。
Yonkiさんにとって看板とは単なるモノではなく、アーティストの作品。忘れ去られる前に必ず記録し、後世に残していきたい、そんな使命感に似た思いがあるようです。
写真集で街の歴史を伝える
2018年には、自身の看板コレクションをまとめた写真集「Hand Painted Signs of Los Angeles」を出版。
ロサンゼルスの文化と歴史を感じさせる看板の魅力を伝えています。
レトロな店舗看板は、あふれるネオンとは違う味わいがあります。
Bryan Yonkiさんの看板探訪は、失われつつある街の記憶を留める意義深い活動と言えそうです。
私もまた、日本の街中に残るレトロな手描き看板や、時代を感じさせるタイポグラフィの魅力に惹かれ、思わずシャッターを押してしまうことがしばしばあります。
Bryan Yonkiさんの写真集には、実際に商店の看板として日々使われている、職人の手による温かみのある作品が多数収められているとのこと。看板画家の方々が生計を立て、地域社会へ奉仕するために制作した実用的な看板アートが詰まっているというのです。
その点が、単なるノスタルジーではなく、この街の文化と営みを捉えようとするYonkiさんのまなざしの表れではないかと思います。
手描き看板への彼のあたたかい思い入れが伝わってくるのです。失われつつあるアナログな文化の息吹を、心を込めて残そうとするYonkiさんの志向性は、非常に純粋で素晴らしいものだと感じました。
PHOTO BOOK “HAND PAINTED IN L.A.: SOME LOS ANGELES SIGNS”
Bryan Yonki’s New Book is a Love Letter to the Hand-Painted Signs of Los Angeles
参考記事